妻のことやハービーのことや自分のことをどんどんこのブログに書いていこう!と思っていた矢先、台風で挫かれた
台風6号が猛威をふるい、1週間ほど生活するのもままならなかった
停電が6日続く
お湯が出ない、というか水が出ない
もちろん冷蔵庫は止まる
真夏の沖縄でエアコンが止まる
暴風雨で窓も開けられない
スマホの充電が着実に尽きていく
こんなひどい状況なので全く頭も働かず、
ただ台風が過ぎ去るのを待つしかなかった
そんななか、さくらももこ作品を読んでいた
さくらももこに救われた
台風に襲われる数日前の僕
妻に「僕もペンネーム付けようかな!ブログに色々書いてるし」と相談した
「じゃあ、さくらももこが好きだし、脚の毛が濃いから、ももげとかどう?」
と言われた僕
待ってくれ
もっとカッコいいやつがいいのに、
ももげを超えるほどのインパクトがあるペンネームが思いつかない
このままでは、ももげと名乗ることになるぞ
いやいや保留だ、落ち着け、
ひとまずペンネームは保留にしよう
傑作:そういうふうにできている
今回もまた、さくらももこ氏、
いや、さくらももこ師と呼ばせていただきたい
タイトルに書いた通り「そういうふうにできている」は、とにかく最高である
ずいぶん勝手でテキトーな言い方だが本当にサイコーだと思う
目次の前にあるページ、本の部位でいうとトビラというのだろうか
そこでもう笑ってしまった
タイトルがローマ字で書いてあるのだ、わざわざ
SOUIUFU NI DEKITEIRU
しかも日本語メインでローマ字をルビのように使っているのではなく、ローマ字でデカデカとタイトルを表記していた
なぜだ
IGIRISU(イギリス)みたいな
DOITSU(ドイツ)のような
GIRISHYA(ギリシャ)的な
日本語タイトルを無理やり欧風にするセンスは
脱帽というか脱皮したくなるほどに天才的である
この本の前に読んだ焼きそばうえだは、力を抜いた自然な笑いが散りばめられていたが
本書は、読者を笑かそうと思って書いている
さくらももこのお笑いが詰まっている
著者の出産時の体験が書かれているのだが、
僕のイメージとして、出産とは
キラキラと神々しさ、神聖さを帯びていて
子どもを授かる喜びや、
母になる心境の変化、
生きとし生けるものへの感謝が綴られてる
そんな感じかと思いきや、師は違った
ホルモンバランスの変化が及ぼす感情の起伏から、
自身に流れ込む宇宙の話や波動、魂など崇高なるももこ先生の教え
師の大便や便秘についてのこと
帝王切開での出産の不安よりも、ついでに盲腸を切ってほしいことへの強い願望
妊娠から出産までの経験を赤裸々に語っているようにみえるが、赤ちゃん可愛いウフフ♪みたいなことは全然書いてない
SNSで見かけるキラキラした雰囲気は全然無い
この本を出産を控える人々にオススメしたい、したくないとかの話ではない
僕はこの本を図書館で借りてしまったがために、返却しなければならない
こんなに面白い本を手放してしまうのが惜しい
「ネットですぐ注文したら?」とかそういう問題でもない
図書館でお試し的に借りた本が名作だったがために、宝物を奪われるような気がしてならない
いやもう買おう、買ってしまおう
気持ちとしては、手に入るだけ買って、人々へ配り歩きたい
とくにスタバでお洒落に読書してる人に渡したい、ひとりで電車に乗って本を読んでる人に渡したい
笑ったら周囲の視線を集めてしまう状況にいる人々へ渡したい
さくらももこのような文章を書けたなら・・・
師のユーモアに富むだけでなく、丁度良い毒、エグ味を含む文章は変に真似しようとすると大怪我するだろう
真似はできないけど、せっかく日記をわざわざネットに晒しているのだから、読んだ人にちょっとでも面白いとか、最後まで読んでもらえるような文章がかけるようになれたらと思う
いや自分で言うのもなんだが、僕のブログを読むのではなくさくらももこの本を読むことを強く推奨する
仕事で疲れた時、なんだか辛いとき、「フフッ」っと一人でひっそり笑いたい時、家でゆっくり過ごしたい時、どんなタイミングにもおすすめできる一冊