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【読書】"ひとりずもう"も名作である、さくらももこは名作ばかりだ

「ひとりずもう」も読み終えていたが、ここに書くことを忘れていた

 

さくらももこ先生の本を一気にドバッと読んだので、

 

どの本は「賞賛済み」でどれが「未賞賛」なのかもう分からない

 

タイトル通り「ひとりずもう」も名作の一つである

 

"もものかんづめ"や、"そういうふうにできている"などと比べて

名作感が少し薄い気がするのは、

この本は「最初から最後まで読み通す」ことで完成するからではないかと思う

 

さくらももこ先生の多くは、好きな部分だけ拾い読みしても面白い

しかし"ひとりずもう"は例外だと感じた

 

幼少期から漫画家としてデビューするまでの、

学校生活での様子や普段の暮らしっぷりが綴られている

 

デビューするまでの先生の日常は、真面目とも不真面目とも言えない

どちらかというと無気力な子どものように思えた

 

無気力と言っても、本当によくいるいわゆる"普通の子"だ

 

天才さくらももこ、とは思えないようなフツーな日常が書かれていた

本当に普通で一般的である

 

そのため序盤から終盤に差し掛かるまで、面白い話ではあるけど

"あるある"と感じること"小さい頃ってそうだよね"と一般的でリアルな日常が続いて

そこで読み終えてしまう人も、中には出てきてしまいそうだと感じた

(お前は先生に何目線で意見してるんだ、失礼極まりない、とは自覚している)

 

だからこそ、そこで読むのをやめたら、この本の素晴らしさを感じることはできない

 

終盤に近づくと、実際に漫画を描くことに挑戦する先生が出てくる

そこからの先生の気づきや努力や奮闘は、

今までのフツーの日常が嘘や幻だったかのようにドンドン目標に向かって突き進んでいく

そして漫画家として、ついにデビューするのだ

 

漫画家になれたこと

それは先生の才能と努力の賜物であることは間違いない

 

でも、この本を読んでいるとそれだけでは無いように思えるのだ

 

たぶん先生よりもずっと真面目に勉強して、普段からきちんとした暮らしをしていて、

人間力も高く、努力している漫画家のたまごは、僕の想像できないくらい沢山いるだろう

 

その中でも全員が漫画家になれるわけではないはず

 

しかし、先生は本当に漫画家になったのだ

これまでの普通の暮らしからは全く予想もできない結果に思える

 

なるべくしてなった

 

運命としか思えない

 

導かれるように先生は漫画家になったのだ

 

僕は、そこに少しだけ救われた

 

 

僕はいま沖縄に住んでいる

 

僕は、もともと沖縄生まれ沖縄育ちであり、

親も沖縄人、友達もほぼ沖縄人だ

 

数年前に東京から戻ってきて暮らしているが

現時点で沖縄に馴染めているとは思えない

 

"ひとりずもう"と何が共通するのか分かりづらいと思うが、

 

「運命」というのはあって

 

さくらももこは「漫画家になる運命」であり、

僕は「沖縄には馴染まない運命」ではないかと思えたのだ

 

沖縄暮らしに色々と前向きに取り組んでみても

常にうっすいバリアに阻まれているような

見えない壁が立ちはだかっているような

いつもそんな気がしているのである

 

たぶん出ていかないといけない運命だから

僕がいま住む地域にいくら馴染もうとして

あれこれもがいてみても、

「運命」に抗っている状態なので

どうにも上手くいかない

そういうことだと思う

 

沢山の反論や批判は出るだろう

 

「馴染もうとする努力不足」

「周囲とのコミュニケーション不足」

「ただ行動してないだけ」

「移住の失敗を言い訳したいだけ」

「スピリチュアルやめろ」

「オカルトこわい」

 

僕は沖縄が嫌でそう言ってるのではない(元々沖縄県民だし)

無論、村八分にされているとか

友人がいないとか

そういうわけでもない

 

周囲と衝突することもないし

新しく関わる人は、ほぼ全員良い人だ

実家があるから逃げ場もある

 

でも、しっくりこない、馴染まない

それに尽きる

 

キルケゴールのいう絶望とは、これなんじゃないか?と思える

 

繰り返すようだが、

さくらももこは導かれるように漫画家になった

僕は今、沖縄にいるけど、出ていく方向に導かれている気がしてならない

 

この本を読んで「あ、馴染めないのが運命なら仕方ないかな」と思えた

だから僕はあまり苦悩せずに、いつかまた沖縄を出る

それを目標に日々を生きようと思った


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