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【読書】"人生はどこでもドア"を読んだら、いつもと違う日曜日を過ごせた

稲垣えみ子さんの「人生はどこでもドア リヨンの14日間」を読んだ

 

さくらももこ先生以外のエッセイを読んだのは、はじめてだった

 

妻が図書館から借りて

「これ面白かった!時間あったら読んでみてほしい!」と、

おすすめしてくれた本だった

 

妻が何か勧めるなんて珍しい

 

妻と僕は、本の好みが異なる

 

妻は小説やエッセイが好き

僕はビジネス書籍が好き

 

そして妻は、僕に限らず、誰に対しても

自分の好みのものを積極的におすすめしようとはしない

自分の価値観を押し付けたり、

勧めたことで相手への変なプレッシャーになったりしないように、

常に気を付けて生きている(繊細さんの特徴である)

 

その妻が珍しく「読んでみて!」と言ってきたのだ

 

繊細な性格を抑え込んでも勧めたい書籍だったのか、

それとも、気を遣い過ぎる性格をコントロールできるようになったのか、

理由は何にせよ、勧めてくれたのが嬉しかったので

自分の好みとは違う本だが読んでみることにした

 

アフロが特徴的な元記者、稲垣さんの旅行記

 

本書は、稲垣さんがフランスのリヨンに

一人で14日間滞在した様子を書いている

 

出発の準備から滞在中どのように過ごすか、

滞在するなかで自身に起こる行動の変化について

面白おかしく書いている

 

観光ではなく「現地に溶け込むこと」を目的にしている話なので、

リヨンの観光地が紹介されている本ではない

 

稲垣さんが、リヨンで「行きつけのカフェ」を見つけるため、カフェ店員にどう接すれば"常連"になれるか考えて日々通ってみたり、

 

マルシェで買い物する自分の振る舞いを見直して、自己流のマルシェお作法を考案し実践してみたり、

 

Airbnbで泊まった部屋のオーナーとの心温まるやり取りが書き記されていたりなど、

 

全然観光しない斬新な旅行記

 

 

観光の様子が無くても元々「現地に溶け込む」ことを目的にしているので、

稲垣さんが試行錯誤してリヨンの日常に馴染もうと挑戦する様子は、何とも応援したくなる

 

そして自分でも実践できそうなこと、真似できそうなことばかりなので

すぐにでもどこか異国へお邪魔して試してみたい!という気持ちになる

 

旅行にあまり興味が無いあなたにも、

旅行が苦手というあなたにも、

これから旅行するあなたにも、

もし時間的余裕があれば

どのガイドブックよりも先に入手して

読んでみてほしい

 

旅行先でどう過ごすか参考のひとつになると思う

 

本にある著者の知見は、旅行だけでなく普段の生活にも活かせる

 

旅行だけでなく明日から普段の生活にも活かせることばかりの内容だ

 

僕はこの本を読んだおかげで、

いつもと違う週末を過ごすことができた

 

日曜日にプラザハウスという沖縄の古いショッピングモールへ行った

 

そこにはギリシャから沖縄に移り住んで

チーズ屋さんを営んでいる方のお店がある

 

ずっと気になっていたので、行ってみることにしたのだ

 

そのチーズ店での買い物が

まさに稲垣さんがリヨンで過ごしたときの感覚なんじゃないか?

と思えるほど、楽しくて特別な時間になった

 

 

店内はかなり小さいスペースで

入店してすぐレジカウンターがある

 

そのカウンターには、チーズ云々の前に、

あなたの身長は何センチですか?と、

足長すぎじゃないですか?と、

尋ねたくなるほどスラっとした

モデル体型

長髪カーリーヘアー

テロテロシャツ、

髭、

ちっちゃいメガネ、

のヨーロピアン男性が立っていた

 

雰囲気はヒッピーっぽいというのだろうか

ワイルドな感じだけど、

それが似合っていて

不潔な感じはしない、むしろ洒落てる

 

僕の欧米コンプレックスに拍車がかかる

 

ヨーロピアンモデル風男性は、

ただお洒落でカッコいいだけでなく、

お店に陳列されているチーズを

流暢な日本語で丁寧に説明してくれた

 

お店に並んでいるチーズは、

僕からすると、

かなり高価なものばかりだったので

いつもであれば「また来ます」と行って

帰ってしまっていただろう

 

そこで思い出した

 

「興味があれば買ってみる」

 

本の中にあった言葉だ

 

何百万円、何十万円するような買い物ではなく、

 

高価といっても千円〜二千円の世界だ

 

モデルお兄さんは僕たち夫婦にたくさん話しかけてくれた

 

「あなたたちは観光ですか?地元の人ですか?」

「いまお店の奥でチーズ教室をやってるんだよ」

「ビールと一緒に食べるのもおすすめ」

「サーモン!すごくチーズと合うよね!」

「今日はサービスでヨーグルトも付けるよ〜」

「試食もどうぞ」

 

いつものセールストークなのかもしれないが、

このやり取りが僕たち夫婦にとって、すごく楽しかった

 

商品を売るだけでなく、何気ない日常の話もしてくれて

なんだか常連客になれたような気がしたのだ

 

あまり沖縄では遭遇しないやり取りに

「冷やかし」のお客さんとも思われたくないし、

お値段以上の充実感で満たされた

 

さらには、沖縄の外への憧れも膨らんでしまった

 

やはり沖縄を出よう、

まずは数日の旅行でいいから

とにかく飛び出そう

少しでも早く、外に出るんだ

 

家に帰って、チーズを食べながら沸々と思った

 

前に進めそうな休日を過ごせた

稲垣さんの本を読んでよかった

 


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